「歩く」ことは誰もが健康に良いと認識し、近年は中高年のウォーキングが体調管理の定番になっている。日常の延長で漫然と歩くのではなく、「自分は運動するのだ」という意識でしっかり歩けば血流がよくなり、気分も変わる。確かに体に変化が出たことに気がつくはずだ。
ここでポイントなのが、自分の体に意識を向けて、「体を変えよう」と意欲を持つことだ。40代、50代、60代と年齢を重ねるにつれ、体は確実に変わっていく。筋肉が落ち、脂肪が増え、衰える方へ向かっていくのは仕方のないことだ。そこで自然に任せて「なにもしない」という選択をすると、70代、80代になるにつれて、より厳しい現実が迫ってくる可能性が高い。まだ「若い」年齢である今こそ、意識して「体を変える」ことが重要だ。
もちろん、「そんなことは分かっているから実践済み」という人もいるだろう。しかし「始めてみたけれど続かなかった」ことが多いのが人の常。また、急に運動をしすぎて膝や腰を痛めては元も子もない。
そんなとき「やってみたら楽しくて、なんとなく続いてしまった」「サボるとかえって調子が悪い」という、「良い循環」が体に起きたらどうだろうか。気持ちのいい汗がドッと出て、体内の老廃物がすっきりと押し出される。すると「気」の流れがスッと良くなり、気持ちの迷いやよどみも晴れていく。
最近、テレビなどで注目を集めている古代中国の思想家・老子はその著書『老子道徳経』の中で「無為自然」の生き方を説き、「気」のパワーを表現している。野生動物が自然とともに生きるのと同様、人間も宇宙の大きな法則である「道」TAOにそって生きれば「気」が活性化し、「楽しい」「スッキリ」という気分のまま、自分を無理なく変えられる。体を変えたいと思ったら、「気」をめぐらせる生活を実践することが重要だ。
「気」を活性化したい人にぜひ知って欲しいのが、「気」を強く鍛える方法である。古来より老子思想を生活の中で実践する人々が行ってきたもので、ツボ刺激と呼吸法を組み合わせた「気」の健康術だ。全身の気血の流れ(血液やリンパなど)を良くして、健康長寿を目指すのである。
この「気」の健康術を現代人にもわかりやすい形で体系化したのは道家<道>学院の早島天來(はやしまてんらい)初代学長である。現在、同校は「気の導引術」「道家 動功術」「洗心術」という、3つの「気のトレーニング」を日本で唯一、指導している。
「気の導引術」は呼吸とともにゆったりと体を動かし、ツボに適度な刺激を与えながら、「気」を最大限に活性化する。習った日から誰でも実践できる自然な動きなので、すぐに心身の変化を実感する人が多い。
2つ目の「道家 動功術」は、2人1組で決まった技を掛け合いながら自然な動きを身につける健康武術だ。日常動作では動かしにくい関節などに快い刺激を与えて「気」の流れを起こし、他人と組むことで心の壁がなくなっていく。3つ目の「洗心術」は心の悩みを相談しながら対話を通して老子の実践哲学を学ぶ。スッと前向きな気持ちになり、明日への活力が涌いてくる。
3つの「気のトレーニング」に取り組むと気血の流れ(血流やリンパ)がスムーズになり、心の悩みが取れ、全身に「気」がめぐる。まさに「一生の宝」だ。
体は何歳になっても変えられる。実践するほど若返る。人から学ぶのでなく、自然から学ぶのが「気」の健康術だ。あなたもぜひ道家<道>学院で学ぼう。思い立った「今」が最高の入学日だ。